ポートランドローズは初期西洋のオールドローズと東洋のオールドローズの交配により作られたバラと考えられていたようだが、東洋のオールドローズが入ることによる耐寒性能力の喪失は簡単に取り戻せるものではないと、育種していると感じる。一部を除き、個人的には返り咲き性のあるダマスクローズ（東洋の四季咲き性のバラが西洋に入る前からあった）の進化により出来上がった系統だと考察している。
返り咲きから四季咲き、木立樹形からシュラブ樹形、中輪。ロゼット咲きのロマンチックな花形のバラが多い。ピンクの濃淡、白など花色はかなり限られる。花首が短めの品種が多く、春などは葉の上に花が直接咲いているように見える時も。ダマスク系の強香のバラが多い。花弁数が多いので、他の系統と比べ香りが強いバラが多い。病気に強く、無農薬、低農薬で育てられるバラがほとんどだが、中には手入れが必要なバラも。多肥でうどんこ病になりやすい。また初期生育が遅い品種もあるので、新苗等、株が小さなうちは蕾を取り続けるソフトピンチが効果的。葉を落としたとしても樹勢で葉を回復するバラが多い。枝も堅く劣化しづらい。耐寒性や耐陰性に優れるバラが多い。主張しすぎず、庭で他の植物と合わせやすいが、花持ちはやや劣る。木立樹形の場合は鉢植え地植え共に向く。シュラブ樹形のバラは、コンパクトなつるバラとして使うと良い。