アンドレ エヴ

アンドレ エヴ André Eve
ガーデナーでありバラの育種家、そしてオールドローズの収集家であった故アンドレ・エヴ氏が1985年に設立。オールドローズの収集と保存、生産、販売、ガーデンへの提案などオールドローズを広めた事により、フランスでは「バラの神様」と呼ばれている。バラの育種では「シルヴィー ヴァルタン(1969作出)」や「レッド パルファン(1962作出)」が代表作。2004年に他社で育種を行っていたジェローム・ラトゥ氏が加わり、より本格的で体系的な育種を行う。優雅で繊細な花、豊かな香りを持ちながら、耐病性のある強健なバラ、優雅さと強さを併せ持つバラを育種目標としている。2010年に最も権威ある新品種コンテストのひとつ、フランスのバガテル新品種コンテストにて、ローズドゥグランヴィルで金賞を受賞。その後ヨーロッパ各地のコンテストにてアンドレ エヴ社のバラは上位入賞の常連となっている。会社の規模や育種の歴史、ノウハウの蓄積などを考えるとジェローム・ラトゥ氏の業績は偉業と言っても良い。それは花の美しさと共に、現在のヨーロッパにて育種で最も求められる耐病性を高いレベルで備えているからである。アンドレ エヴ社のバラは、ほぼすべてが無農薬や低農薬で美しく育てられる。オーガニック志向の方にはぜひ育てて欲しいブランドである。
アンドレ・エヴ氏との思い出。
2013年、アンドレ・エヴ氏に出会った時、私の世界観はがらりと、様変わりしてしまった。それまで栽培技術を駆使してバラを美しく咲かせる事がバラ栽培だと思っていた。もちろん薬剤散布は必須、週に一度は行い完璧な状態を保つべきだと思っていた。彼の庭を訪れた時、あまりに見事な庭に「薬剤散布はどのくらいの頻度で行っていますか?」と聞くと「薬はまかないよ、君は薬を撒いた庭で癒されるかい?私は癒されない。」と衝撃的な言葉が返ってきた。よくよく庭を見ると、薬剤を撒かなくても葉を出来るだけ維持でき、樹勢が強く葉が落ちたとしても枝葉を伸ばし、すぐに回復するバラだけを植えている。さすがオールドローズの神様だ。それでも虫は出てしまうが、それらは毎日庭を巡り、すべて手で取り除いている。そこから、ただ美しいだけではなく耐病性に優れたメンテナンスが簡単なバラを育種しなければならないと考え始めた。まだまだ過程だが、無農薬で葉を一切落とすことなく、虫が出た時だけ薬剤を散布する、庭木のような手入れで育つバラを目指している。その方がむしろバラの裾野は広がり、多くの人々がバラを身近に育ててくれるのではないだろうか。バラへの考え方、向き合い方の大きな転換になった出逢いだった。

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